自然から養われる情感こそ、日本人の魂に愛を供給していたのではなかろうか。[930/1000]
真っ白な雪が降っている。寒空のしたを風に運ばれて、真っ白な雪が大地を覆ってゆく。四季を感じる機会はずっと減ってしまったが、自然から養われる情感こそ、日本人の魂に愛を供給していたにちがいないと感じる。寒くとも、寒くとも、耐…
真っ白な雪が降っている。寒空のしたを風に運ばれて、真っ白な雪が大地を覆ってゆく。四季を感じる機会はずっと減ってしまったが、自然から養われる情感こそ、日本人の魂に愛を供給していたにちがいないと感じる。寒くとも、寒くとも、耐…
世相が移ろい、時代に後れを取る。老いぼれ爺になろうとも、山間を無邪気に駆け抜ける、天狗のような風でいられたら。道徳が論じられ、説教がよく流行る。それでも一途な、詩のままであれたら。すくっても指の間から落ちてゆく、清らかな…
あなたがたが、せめて動物として完全であったら、とわたしは思う!だが、動物であるためには、無邪気であることが必要だ。 わたしはあなたがたに、官能を殺せとすすめるだろうか?いや、わたしは官能の無邪気さを知れとすすめる。 わた…
わが友よ!のがれなさい、あなたの孤独のなかへ。あなたは毒のある蠅どもによって、刺されつづけているではないか?のがれなさい!強く、雄々しい風の吹きわたるかなたへ。 のがれなさい、あなたの孤独のなかへ!あなたは、このちっぽけ…
科学は、この世を創造した神の御業を探求したいという、信仰から生まれた学問である。信仰心が非現象界に存在する力を現象界に下ろし、非物質を物質とし、日常で五感をつかって触れられる手段を得た。信仰心がない人間にとって、科学は便…
あなたはあなた自身の炎で、自身を焼き尽くそうと思わなければならない。自身がまず灰となるのでなければ、どうしてあなたは新しいものとなることを望めよう! ニーチェ「ツァラトゥストラはこう言った」 真赤に燃える赤と金。 パチパ…
無事に屋根を張り終え、今年の作業を締めくくることができた。思い返せばこの家づくり、苦しんでいることの方がずっと多かった。毎日、何かしら失敗した。その度に下手くそな自分を罵り、自暴自棄になりがちだった。毎日、ChatGPT…
年の瀬だ。再び森にやってきた両親に、屋根張りを手伝ってもらっている。支えてもらう人がいるだけで、効率も精度も段違いに上がる。お陰で、何とか年内には屋根を張り終えられそうだ。 日が暮れてもヘッドライトをつけて働きつづける私…
柿渋を知っているだろうか。まだ青い柿を潰し、水を混ぜて発酵させ、臭いが出てきたら濾過して圧搾する。液体を一年熟成させれば、柿渋はできあがる。世話になっている爺ちゃんから、昔は家の中のあらゆるものに柿渋が塗られていたと聞い…
今年の夏は、百姓のもとで世話になったが、霜が降りる時分から畑の仕事はなくなっていく。冬を越せるか心配した農夫は、私に冬の仕事を紹介してくれた。氷餅といって、もち米を凍らして干して乾燥させたものをつくる仕事である。氷餅の製…