精神は身体の戦闘と勝利をつたえる伝令だ。[752/1000]
わたしたちの心境は上方にむかって翔ける。この心境が、わたしたちの身体の比喩であり、上昇するものの比喩なのである。もろもろの徳の名称も、このような上昇するものの比喩なのだ。 こうして身体は、歴史をつらぬいてすすむ。生長する…
わたしたちの心境は上方にむかって翔ける。この心境が、わたしたちの身体の比喩であり、上昇するものの比喩なのである。もろもろの徳の名称も、このような上昇するものの比喩なのだ。 こうして身体は、歴史をつらぬいてすすむ。生長する…
鞭の苦痛で身もだえするのが、徳だと思っている人々もたしかにいる。そして、あなたがたは、こうした人々の叫び声にあまりにも耳を傾けすぎた! またはほかの人たちは、自分たちの悪徳がなまけるのを、徳と称している。かれらの憎悪や嫉…
この俺、かつてはみずから全道徳を免除された道士とも天使とも思った俺が、今、務めを捜そうと、この粗々しい現実を抱きしめようと、土に還る。百姓だ。 俺は誑かされているのだろうか。俺にとって、慈愛とは死の姉妹であろうか。 ラン…
もう秋か。―それにしても、何故に、永遠の太陽を惜しむのか、俺たちはきよらかな光の発見に心ざす身ではないのか、―季節の上に死滅する人々からは遠く離れて。 ランボオ「地獄の季節」 一見明るそうに見え、内実、暗い世の中である。…
「すべての日々が、わたしにとって、聖なるものとならねばならぬ」と、かつてわたしの青春の知恵は言った。まことに、それはよろこばしい知恵の言葉であった! ニーチェ「ツァラトゥストラはこう言った」 仕事をさがしはじめた。今日、…
生は、快楽の泉である。しかし、賤民が来て、口をつければ、泉という泉は汚され、毒されてしまう。 すべての清潔なものを、わたしは愛する。不潔な者どもの口をゆがめた笑いと、その渇きを見るのは、わたしには堪えがたい。 ニーチェ,…
梅雨も終わりかと思えば、今度はヒグラシが鳴きはじめた。五感では知覚できぬほどのゆっくりな速さで、季節は移ろい生命は老いていく。今からちょうど一年前、2023年7月にこの森にやってきた。仕事を辞めてまもなく、まずは倒木や雑…
すべての書かれたもののなかで、わたしが愛するのは、血で書かれたものだけだ。血をもって書け。そうすればあなたは、血が精神だということを経験するだろう。 ニーチェ, 「ツァラトゥストラはこう言った」 科学は夜を駆った。この世…
雨が滝のように降りしきるなか、とても永い眠りについていた気がする。幸福な夢をよく見る。そうして目覚めると、きまって哀しい気持ちになる。この世もまた、夢の如く儚いものであるが、断片的で朧げな、辻褄の合わない夢と違って、意識…
俺の精神が、この瞬間から絶えずはっきりと目覚めていてくれるものとしたら、俺たちはやがて真理に行き着くだろうに。真理は俺たちを、泣いている天使らをつれて取り巻くであろう。 ランボオ「地獄の季節」 何のための精神か。何のため…