人間の本質はとぎれることのない光である。[385/1000]
アフリカで誕生した人類は太陽を求め東にやってきた。その旅の果ての地が日本である。ゆえに日本は、日の本である。 この歴史を読み、偶然であるが、私は似た経験をしたことを思い出した。それがオーストラリアの横断であ…
アフリカで誕生した人類は太陽を求め東にやってきた。その旅の果ての地が日本である。ゆえに日本は、日の本である。 この歴史を読み、偶然であるが、私は似た経験をしたことを思い出した。それがオーストラリアの横断であ…
ヒグラシの声で目が覚めたのは初めである。ヒグラシは、黄昏に鳴くイメージが強いが、薄明るい朝の時間帯にも鳴くのである。大体の場合、小鳥の声で目が覚めるが、日によって小鳥の合唱にも大小があるのである。森にきて最初の頃に、盛大…
「自然とはなにか」「人間はどこまで関与すべきか」を問いながら森で労働している。 他の動物にはなくて人間にあるもの、その一つは、美しいと感じる心である。動物は掃除をしないが、人間は掃除をする。掃除をすると例外なく、心が広々…
森で目が覚める。夢の内容はだいたい、過去に出会った人間のことである。社長になった者もいる。結婚した者もいる。立派に仕事をして、趣味を充実させ、広く交友している者もいる。苦労を重ねながら子を養い、仕事に勤める者もいる。そん…
人間界の仕事を終えて、自然界に仕えている。はやくも5日が経ち、森の倒木はおおかた片付けることができたが、まだ道のりは長い。「チェーンソーの音は生理的に受けつけん。まるで木が悲鳴をあげているようだ。非効率だろうと己のエネル…
「腐海の木々は、人間が汚したこの世界をきれいにするために生まれてきたの。大地の毒をからだに取り込んできれいな結晶にしてから、死んで砂になっていくんだわ。この地下の空洞はそうしてできたの。虫たちはその森を守っている。」 風…
20メートル級の木が倒れるときは感無量というほかないのである。メリメリメリと幹が張り裂ける音が聞えると、ゴゴゴゴゴと鈍く重たい音をたてながらゆっくり傾いていき、最後はドドーンと凄まじい音とともに地面に叩きつけられる。直撃…
ついこないだ、満開の桜に春の訪れを歓べば、もうヒグラシが鳴き始めた。ヒグラシの鳴き声を聞いていると、いよいよ夏の物語がはじまっていくのだなぁと少年の心が刺激される。気づく頃には、葉は紅く染まり、火照った人々の顔に涼しげな…
足軽は人をつくらないという。妻子をもちながら仕事の責務の重みをまっとうすることで、ほんらい男はできあがっていく。6月末で仕事をやめた私は、精神の解放を味わっているが、自由奔放に流れないように己を戒めたいと思う。幸か不幸か…
雨が降ってくれてよかった。淋しさを洗い流す雨である。 いよいよ仕事をやめる日となった。苦しみが多くあるほど歓びは膨れ上がる。半端者の私は仕事をまっとうにやめた経験が少ない。大学生のころからバイトは投げ出してきたし、教員も…