強い心持ちであるための努力【インド紀行⑬】[628/1000]
美しいものを美しいと感じるには、それだけの心の素養と下地がいる。山頂からの景色が美しいのは、一点に向けて高められた登山者の忍耐と期待が世界のこまごまとした美を受け入れる感性を爆発、解放させるからである。 逆…
美しいものを美しいと感じるには、それだけの心の素養と下地がいる。山頂からの景色が美しいのは、一点に向けて高められた登山者の忍耐と期待が世界のこまごまとした美を受け入れる感性を爆発、解放させるからである。 逆…
少し早いですが、日本に帰ることにしました。デリー、バラナシ、ブッタガヤ、カルカッタを一か月かけて横断する予定でしたが、バナラシを終着とし、再びデリーに引き返し、飛行機で帰ることになります。体調が優れないことが第一の理由で…
バラナシに到着して3日目の今日、ようやく熱が下がった。宿の親父に2泊分の精算をし、安静をとるために一泊延長することにした。2泊の金額は557ルピー(947円)である。デリーに比べると、半額で泊まれてしまうのは有難い。56…
異邦の地で発熱に見舞われるほど心細いことはない。デリーからバラナシ行きの寝台列車に乗ってすぐ、咳が急に深くなり、身体が熱を帯び始まるのが分かった。思えば、身体を壊しても無理はない。インドに来て数日であるが、毎日のように8…
慣れない土地に行くと、時間の進みは遅くなります。体感、既に一週間くらいデリーにいる気がしますが、まだ3日目の朝です。同じ3日でも、空虚に過ごす日々であれば、1日の体感に凝縮されてしまいます。旅は時間に相応の、もしくはそれ…
巷ではインドは三大うざい国と言われている。しかし、今日の僕は、これがいかに物質主義に傾倒した見方であるかを思い知っている。今僕は、涙が溢れて仕方がない。インドという国の見方の内外が、ついに反転したのだ。仮にもインドに来て…
僕は今、インドの首都、デリーという街にいます。道路は車でびっしり詰まっており、その間をたまに馬車や牛車が走ります。信じられますか?文明の行き届いていないへんぴな田舎町ならまだしも、世界1位の人口を誇るインドの首都で、その…
旅は旅行に対して素朴なものである。しかし、旅人が必ずしも素朴かと問われれば、決してそんなことはない。しかし、旅を通して洗練されすぎた旅人が、素朴な感性に立ち返っていくことはしばしば起こりうる。 素朴なものは…
インド入国のキックオフと同時に、旅人はセンターサークルでパスまわしをされる。あっちに行けと蹴られては、こっちに行けと別の者にまた蹴られる。このパスまわしにハマってしまえば、抜け出すのに絶望的な苦労を強いられる。 &nbs…
インド1日目 デリー ボロ宿に着き、部屋に案内されると「枕カバーはまだ替えていない。クリーニングをしているので、30分後に取り換える。」と少年は説明した。その間、僕は街を散策することにしたが、念のため、既についている枕カ…