男は自分の情熱に酔い、女は男の情熱に酔う[638/1000]
男は自分の情熱に酔い、女は男の情熱に酔う。男がいなくなれば、女は自分の情熱に酔うしかないのである。ゆえに男は男でありつづけるために、己の情熱に責任を持たなければならない。男にとって人生とは女である。女から発せられる魅惑に…
男は自分の情熱に酔い、女は男の情熱に酔う。男がいなくなれば、女は自分の情熱に酔うしかないのである。ゆえに男は男でありつづけるために、己の情熱に責任を持たなければならない。男にとって人生とは女である。女から発せられる魅惑に…
インドから帰ってきた私とすれ違いざまに、母がタイに旅に出た。旅とはいっても、1泊1000円を惜しむような貧乏な私とは違った裕福な旅行である。また、生活に根を張らないただの放浪者とは違った、まっとうな生活の上に伸びていく旅…
爽やかな早朝に、10R(17円)の硬貨を1枚渡し、熱々のチャイを飲むのが、インド旅の楽しみの一つであった。昼は150R(255円)もあれば、十分なマサラとチャパティ(カレーとナンのようなもの)にありつくことができたが、少…
つい昨日、インドの旅から帰ってきた。インド初日で2000ルピーをトゥクトゥクにぼったくられ、人に聞いても欲しい情報が得られず、たらいまわしにされたものの、素朴で野蛮なインド人の感覚に触れて、生命的にほんとうだと思った。彼…
インド旅を終えて日本に帰ってきた。ずいぶん長いこと向こうにいた感覚であるが、友に帰還を伝えると「もう帰ってきたんだね」と返事がきた。私にとっては1ヵ月の重みがずっしりとある今回の旅も、現実時間のカレンダーでは2週間にも及…
海や雪を前にして、はしゃがない子供が子供らしくなように、洗練されすぎた人間は、人間らしくないのである。私がインドに抱いた感触は、人間がたくさんいるというものだった。インドに行けば価値観がぶっ飛ぶとよく言うが、私の場合は「…
インド人の女性は保守的であるというのが、旅を通しての印象だった。男に話しかけられることはあっても、女に話しかけられることはまずなかったし、伝統的なサリーに身を纏う生娘は、むやみやたらに男に話しかけることを慎しんでいるよう…
路地裏で遊ぶ子供の声、夕焼けを旋回する小鳥の群れ、一日の足労を癒すさわやかな風に、久々の自由を感じた。思い返せば、今回の旅は重く、敬虔な顔つきで旅をすることが多かった。信仰の厚いインド、もしくは貧困と物乞いに遭遇するイン…
まだ夜が明けぬ朝の4時、昨晩宿のおやじに頼んでおいたとおり、宿の前にはトゥクトゥクが待機していた。これからデリー行きの列車に乗ろうとするとこで遅れは絶対に許されなかったが、何のトラブルもなく駅に向かえそうでひとまず安心し…
初めて見たガンジス河は、あまりにも美しかった。待望の日の出には間に合わず、陽は既に少し高くなってはいたが、波は金色に揺れていて、泥褐色の混沌は、より一層、人間の罪を洗い流す聖性を宿しているように見えた。雑踏にもまれて、朝…