「追憶の魂」
解放を掲げた戦いは 既に灰塵の上にあり
虚空を捕らえる咆哮を 大砂漠が嘲笑う
黄金が眠る海でさえ 海神は沈黙し
夜山に沈む空身の果てに 涙堕ちれば 堕ちる人生
悪意の月光酔い痴れば 故郷の風が頬を撫でる
枯れ萎れた魂よ 野性の鹿血を喉に汲め
諏訪湖に燃ゆる宙核を 巨大な槍となり突き裂け
同情に滅びた神の墓 慟哭する英霊の影
虚偽の鎧は銭と朽ち 貉の母啼く森に死す
揺らめく炎 服する書物 幽居 霊薬に満つ
無気力の根は断ち切れた サタンよ孤独の戦友となれ
悪意の奥底も見極めた 慈愛よ焔を心得よ
砂漠に斃れる旅人の 地に轟く詩となれ
血涙 溢るる放浪の 赦されよ 赦さぬを
厭世 泥這い 身は窶れ 幸福 道化に楯を突く
己がなけなし 分別の 胸を叩けよ 草枕
深山幽谷 寂漠を 破るる春が胸を汲む
生死一閃まどろみの 生命を叩く無邪気さよ
ああ美わしき魂よ 『愛と希望を忘れるな』
2023年12月15日
内田 知弥
コメントを残す