採石場で、軽トラ一杯の砕石をもらってきた。これを、土台を乗せる基礎石の下に埋める。40センチ四方、深さ70センチの穴に入れて、30センチごとに転圧していく。
軽トラでもらってきた砕石の3分の1を使って、ようやく穴一つを完成させることができた。穴の数は合計20個。このままやると、砕石場を6往復しなければならない。重量オーバーのために、軽トラがパンクしないか心配しながら、アクセル全開で踏んでも30キロしか出ないような状態で、あと6回も国道を走らなければならないことを想像すると、気が滅入りそうになる。
それにしても、激しい肉体労働がつづく。70cmの穴を一つ掘るのに、早くて30分かかる。途中、根を切ったりしていれば、1時間かかってしまうこともある。これを20個やらなければならない。それが終わったら、もらってきた砕石を埋めていくが、一輪車を持たない私は、砕石と穴の間を、袋を引きずって何往復もしなければならない。砕石を穴にいれたら、今度は丸太を持ち上げて転圧する。
まったく気の遠くなるような基礎工事である。だが、物は考えようである。今日で10個目の穴を掘り終えた。毎日、少しずつ穴を掘っていたら、気づけば半分掘り終えてしまったのである。一つ一つを懸命にやっていたら、勝手に時が運んでくれた。自分の力でどこまでも進んでいこうとすると、とても果てしなくて絶望する。だが、全部を自分でやろうとせずとも、時の流れに身を任せていればよいのだと思うと、まるで神様を味方にできたように心強い。力まずに、歩みを止めることなく、日々できることをやっていくまで。