夢の一つを生きているにすぎない③[518/1000]
魂に性別はない。ゆえに、私は男もであり、女でもあった。 魂に年齢はない。ゆえに私は少年であり、老人であった。 神に反逆した天使は、地獄に堕とされる。この暗澹を満たす宇宙エネルギーには、天使がおり悪魔がいる。ゆえに、私は天…
魂に性別はない。ゆえに、私は男もであり、女でもあった。 魂に年齢はない。ゆえに私は少年であり、老人であった。 神に反逆した天使は、地獄に堕とされる。この暗澹を満たす宇宙エネルギーには、天使がおり悪魔がいる。ゆえに、私は天…
霊体はつねに肉体に縛られ、「現在」しか生きることができない。「過去」を生きていたようで、それは肉体にひもづけられた記憶の断片にすぎないのだ。記憶の断片をつなぎあわせて、自己の延長を「現在」演じている。演じている「私」とは…
私はしばしば、夢と現実との違いは、そう大きなものではないという感覚におそわれる。つまり、この現実とは「さめない夢」なのであって、魂が肉体をとおして、一つの夢を見ているにすぎないという感覚である。 昨晩の夢は…
魔の山を二週間かけて読み終えた今、ある種の燃え尽き状態にある。 あまり本を読む気にならず、かといって薪を割るくらいしか他にやることもないので、適当にからだを動かしたあとは、虚空を見つめるようにぼうっとし、火…
ついに、トーマスマン「魔の山」を読破した。分からないところは、何度も分かるまで読み返し、2週間もかかってしまった。 一冊の文学をこんなに時間をかけて読んだことは初めてで、私自身、未来、隠遁生活を反省したときに、真っ先に思…
11月15日、今日は何の日か。狩猟解禁日だ。 全国の猟師たちは今日という今日を待ちわびて、いっせいに山に入る。鹿、熊、猪などの大型獣から、カモなどの鳥類とのかけひきがはじまり、早いところでは今晩から、大地を祝した新鮮な肉…
不思議だ。あんなにも世に背を向けて、山奥で隠遁生活をしたいと思っていたのに、己のなかに善意を見つけてからは、森から出たいという気持ちが高ぶってきた。 人間愛という代物は、一歩間違えて同情におぼれれば、人間を…
人間に対する善意が、いつも人間愛から生まれるならば、この人間愛の原理に従いながら、人間を否定し、人間の超越に向かわなければならないのではないか。さもなくば、生きることの動力源は暗黒で、冷たいものになりはしまいか。 &nb…
ホームレスの住居であるダンボールハウスや、ブルーシートで覆っただけの簡易的な家が、いかに最低限の労力で、最低限の機能を合理的に獲得しているか、家をつくってみて、色々感ずるところがある。 金もない。物もない。…
トーマス・マンの「魔の山」にぶつかる日々がつづく。もう一週間は経ったろうが、まだ下巻の冒頭にとどまっている。上下巻で、1500ページの長編にして、内容が濃密で、一日100ページも読み進めることがむずかしい。 西洋の民主主…