もう誰にも読まれていないかもしれない[662/1000]
もう誰にも読まれていないかもしれない。一人でも読んでくれる人がいればこそ、書きつづける気概を見出せた。だが、ついに俺も愛想をつかされたというわけか。悪かったとは思っている。苦し紛れに紡ぎ出す言葉に悪意がなかったかと問われ…
もう誰にも読まれていないかもしれない。一人でも読んでくれる人がいればこそ、書きつづける気概を見出せた。だが、ついに俺も愛想をつかされたというわけか。悪かったとは思っている。苦し紛れに紡ぎ出す言葉に悪意がなかったかと問われ…
私が心に描いている死に方は、いわゆる死とはいえないということである。それはむしろ、魂がこの地上からあの天国へと移る「道行き」というべきだろう。いずれにいても、こうしたふたつの世界にまたがる想いは、きわめて心地よく、いわゆ…
秋の樹の葉の地に落ちて朽ちたように―私のためには希望もまた枯れた。ここに来たときと殆んど同じままに―私はここから去る。―美しい夏の日々に私の魂を生気づけた高い勇気、―それも消えた。―おお、神の摂理よ、歓喜の澄んだ一日を一…
自分の絶望に関する無知の状態においては人間は自己自身を精神として意識している状態から最も遠く隔っている。ところで自己を精神として意識していないというちょうどそのことが絶望であり無精神性である、―こういう状態はときとして完…
自己は、ひとたび絶望の経験を通じて自己自身を自覚的に神のうちに基礎づける場合にのみ、まさにそのことによってのみ健康であり絶望から解放されてありうるからである。 信仰や智慧というものは歯や髪のように年とともに自ら成長してゆ…
空はどうして青いのだろう。もし子供にこんな質問を投げかけられたら、何と答えるだろう。スマホで検索をして、「青い光の波長は・・・」などと答え始めようものなら、それはもう科学主義にどっぷり侵されている。もし、波長の長短の関係…
私は、この地上で暴力と戦いが終わった時、これで万事が旨くゆく、これからは平和になり、人々は幸福な毎日を末永くおくることができる、と思いました。しかし、その期待は全く裏切られました。戦争が一切を荒廃させるのに劣らず、平和も…
強くあれ、幸福な生涯をおくれ、しかして愛せよ!しかし、何よりもまず第一に神を愛せよ、神を愛することは神に従うことだ。神の大いなる命令を守れ。情熱のために判断を誤ち、普通ならばお前の自由な意志が許さないことをしでかすことの…
4月だ。桜の蕾があちこちで開きはじめた。社会は新生活に気持ちを一新し、前へ前へと進みつづける。社会に適応できない者は孤立感を味わう。それは、こうした祝いの季節に、皆と前に進む感覚を得られないからだ。自然の四季を味わうこと…
肉欲―すべての禁欲的な「身体の軽蔑者」たちにとっては、かれらを苦しめる棘と針だ。 肉欲―賤民たちにとっては、かれらをじわじわとあぶる火。 肉欲―とらわれのない心にとっては、無邪気な自由なもの、…