今からちょうど2015年7月、
小暑を過ぎた頃、僕達は新たな挑戦をした…。
男なら誰もが一度は憧れること…..そうそれは……..
野宿!!!
なぜそんなに野宿に憧れるかって。
そんなことは愚問だ…..。
野宿ができれば、突然家を無くしても困ることはない。
野宿ができれば、終電逃しても満喫に駆け込む必要はない。
野宿ができれば、47都道府県、全国に寝床ができることを意味する。
そう、野宿こそ野蛮さの象徴だ。
そう、野宿こそ生命力の象徴だ。
日本で身近にできるザ・サバイバル。
それが野宿だ!
さてこの記事は、
野宿童貞だった2人が、旅先で果敢に野宿に挑戦する物語だ。
これから野宿をしようと思っている人、
いや…野宿に全く興味が無い人もどうかこの記事から、僕らの野蛮なエキスを吸い取ってほしい。
1 野宿童貞共、旅の始まり!
とむ(左)とりょすけ(右)@善光寺in長野
これが今回の旅の概要だ。
旅の概要
種別:旅
場所:長野県長野市
期間:1泊2日
時期:7月
メンバー:とむ、りょすけ
属性:非リア充、野宿童貞
久々に再会した僕らは、
野心で溢れ返っていた。
友情を分かち合うのは束の間、
僕らは近々訪れるだろう不確実な未来が待ち遠しくてしょうがない。
しかし、実をいうと、
僕たちは最初から野宿を狙っていたわけではない。
男のロマンだの偉そうなことを言ってしまったが、
最初は、田舎に泊まろうに憧れていた。
お母さんの味的な料理を食べて、楽しく談を取り、そこにいる子供と遊んで、寝床ももらって…..
田舎に泊まろうってめっちゃいいやん!
まさにTHE 旅って感じがします。
そう、だから僕らは、観光がてら、
色んな人に話しかけまくりました。


けど、さすがにこんなマダム達のお家にお邪魔するのは失礼だ。
僕たちにも最低限の常識とマナーはある。
急にこんなタイ人とフィリピン人みたいな男2人に、
泊めてくれなど迫られたら、”ノー”と言うことなんて不可能だ。
ましてや、一切の邪気を含まない笑みを見せられたら断る事なんて出来ない。
断る余地のないお願いほど質の悪いものはない。
いくら「どうか今夜ご自宅に泊まらせていただけないでしょうか?お願いしまァァす!」と、
優しい言葉で包んだとしても、『泊らせろ』と言っていることと変わらない。
いくら僕らが田舎に泊まろうに死ぬほどロマンを抱えていたとしても、
そんな脅迫じみた真似はできない。
2 とりあえず受け身で。
とりあえず、手持ちのスケッチブックに用件を書いて、
泊めてくれる人が現れることを待った。





やばい。
日が暮れてきた。


僕らのあまりの惨めさに声をかけてくれた人は現れたけど、
結局、泊めてくれる人は見つからなかった。
受け身がまずかったのか?
あの時、マダム達に泊めてもらえばよかったのか?
沸々と後悔の念が沸いてくる。
だがもう時すでに遅し。
時間の不可逆性を凌駕できる超能力は、
いくらタイ人とフィリピン人に似ていたとしても持ちあわせていない。
3 野宿するわ。
お母さんの味、家族の団らん、温かいお布団…..。
見事に、田舎に泊まろうのロマンが崩れ去った。
残った選択肢は、
A:野宿 B:野宿 C:野宿 D:野宿
低予算の旅では、ホテルに泊まるなんて豪遊はできない。
満喫は、、、野暮だ。
もしかしたら、僕たちは正常な判断力を失っていたのかもしれない。
人は窮地に追い込まれたとき、正常な判断力を失うというのは本当だった。
気付けば僕たちは、近くのコンビニでダンボールを調達していた。
これから野宿をしようとする人は良く覚えておくといい。
“野宿 needsダンボール!!” ”ダンボール is house!!”
ダンボールは暖かい……..はずだ。
とりあえず、タダでもらってきたダンボールを敷いてみる。

ん?お?
中々いい感じじゃないか!
何だこれ、
田舎に泊まろうよりも数倍おもしろそうだ。
このぺらっぺらの段ボールでも、
こんなにもミニマムな宿所ができる。
まさに、必要最低限、シンプルイズザベスト、
あのりんごマークをデザインしたスティーブも、これには驚いているだろう。
だがこれでとりあえず寝れる!
4 野宿で男のロマン到来?
けど僕たちの中に2つの誤算があった。
1つ目に、外で寝るのが怖い。
シンプルなデザインを追求したあまり、
機能面を蔑ろにしてしまったようだ。
いくら男二人でも、
こんな防壁も何もない状態で襲われたら太刀打ち出来ない。
だってこれ、いくら何でも無防備すぎる。
変なナイフ持った狂人が飛びついてくるかもしれない。
そしたら、その時点で人生the endだ。

無事に明日の朝を迎えられるのか?
朝起きて命あるのか分からん。
僕たちは、寝れなかった。
子犬のようにブルブル震える僕らをあざ笑うかのように、
色んな人が絡みにきた。
まじで寝れんかもしれん。
そんなことを思ってる矢先、
5メートルほど先に、5人組の女子大生がこちらに興味を示していた。
そしてどうやら、5人のうち1人の子が終電を逃したようだった。
「き….きた!ついにこの瞬間がきた..!」
僕らの悪魔的な部分が微笑み始めた。
これは…….

需要と供給のマッチングだ….!!

こんなみすぼらしいダンボールでも….!!

女子大生が一緒に寝てくれれば….!!

人生勝ち組だ!
さあ、全国の男を代表して尋ねることにした。
男のロマンは儚く散った。
5 野宿テントなし、寝袋なしはくそ寒い。

わんさか沸いてた野良共は姿を消した。
時計の針は、2時を指している。
ただとにかく….
寒い…!
鉄壁だと思ってた、ダンボールの寝床も、
下の隙間から、冷たい風が入ってきて、足がスースーする。
背中も超冷たい。
完全に詰んだ。

さっきまで、
シンプルかつミニマルなこの布団に
こんなにも満足な笑みを浮かべていたけど、

今となっては、こんなんだ。
寒気を必死で耐える。
そしてついに….

撃沈したりょすけ
待望の朝が来た……。
結果は言うまでもない。我々は凍った。
野宿童貞を卒業できたかもしれないけど、
痛々しいデビューとなった。
6 野宿をこれからする人へアドバイス

今この記事を書いている僕は、
ヒッチハイクでの日本一周を終えて、
野宿童貞だった頃を懐かしめるくらいにはなった。
そんな僕が当時を振り返りながら、
これから野宿をしようとする勇者にアドバイスを書こう。
①とにかく暖かくしていけ!
夏でも明け方は想像以上に寒い。
だから想定しているよりも温かい服をちゃんと持って行った方がいい。
2枚持っていくつもりなら、+1枚で3枚持、
3枚持っていくつもりなら、+1枚で4枚持って行ったほうが良い。
もし暑かったら、着なければいいだけの話。
服が無くて、凍え死にそうになった時、本当に後悔する。
②地面は想像以上に冷たいから気をつけろ!
野宿の敵は外からやってくるのではない。
野宿の一番の敵は、汝の下からやってくるものだ。
コンクリートはもちろん、草や芝、土の上でも冷たい。
冷蔵庫の冷気が下から襲ってくることを想像してくれたらいい。
断熱マットなしでは、
よっぽど防寒しない限り厳しい戦いになるだろう。
もし断熱マットを持っていかないのであれば、
死ぬ気で防寒具を持って行った方が良い。
コンビニなどで調達するダンボールを2枚か3枚敷いて寝れば、
まだいいかもしれない。
③野宿を楽しめ!
野宿は怖い。
もしかしたら、変な人に襲われるかもしれない。
けど、恐怖心や周囲の人間への猜疑心を働かせていたら、
良質な睡眠は訪れない。
だが、覚えておいてほしい。
朝を無事に迎えて食べるカップ麺は格別に美味い。
朝を無事に迎えて入る銭湯は格別に気持ち良い。
そして何より得られる、「あー、生きてるわ」って感覚。
あの感覚は何ものにも代えがたいだ。
さあ是非、挑戦してみてくれ。
これで野宿童貞は卒業だ。
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