そのように、かつて私自身も
真理を求める狂気に駆られて
昼を求めるあこがれに駆られて、
昼に疲れ、光を浴びて病気になり、
―下方に、夕暮れのほうに、影のほうに沈んでいった。
一個の真理によって
身を焼かれ、渇きをおぼえて。
―まだ憶えているか、熱き心よ、憶えているか、
そのときおまえが、どんなに渇望していたかを―
ニーチェ「ツァラトゥストラはこう言った」(第四部 憂鬱の歌)
朝露に濡れた葉を、陽がゆっくり包みこみ、
アマガエルは朝を讃え、水溜まりを唄って踊る。
陽に焼けた農夫の手が、生活に鍬を差し込むと、
雑草は根から掘り起こされ、温められた空気を土が抱擁した。
昼を憂う亡霊の、この世に棲みつく苦しさよ。
魂を抱いたまま、お前は大地に憧れる。
憶えているか、同朋よ。切望していた生活を。
燦爛たる太陽に呼びかけて、幸福は病を吐いた。
2024.7.25
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