燦爛たる太陽に呼びかけて、幸福は病を吐いた。[767/1000]

そのように、かつて私自身も

真理を求める狂気に駆られて

昼を求めるあこがれに駆られて、

昼に疲れ、光を浴びて病気になり、

―下方に、夕暮れのほうに、影のほうに沈んでいった。

一個の真理によって

身を焼かれ、渇きをおぼえて。

―まだ憶えているか、熱き心よ、憶えているか、

そのときおまえが、どんなに渇望していたかを―

 

ニーチェ「ツァラトゥストラはこう言った」(第四部 憂鬱の歌)

 

朝露に濡れた葉を、陽がゆっくり包みこみ、

アマガエルは朝を讃え、水溜まりを唄って踊る。

陽に焼けた農夫の手が、生活に鍬を差し込むと、

雑草は根から掘り起こされ、温められた空気を土が抱擁した。

 

昼を憂う亡霊の、この世に棲みつく苦しさよ。

魂を抱いたまま、お前は大地に憧れる。

憶えているか、同朋よ。切望していた生活を。

燦爛たる太陽に呼びかけて、幸福は病を吐いた。

 

2024.7.25

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