魂の悲鳴だけがありありと聞こえる[708/1000]

何処へ行く。戦か、ああ、俺は弱い。皆んなは進んで行く。道具を、武器を……時をかせ。……

撃て。俺を撃つんだ。さあ、やってくれ。いけなきゃ降参してしまう。―意気地なしめ。―自殺だ。俺は馬の脚下に身を投げる。

ランボオ「地獄の季節」

視線は虚空を彷徨い 身体は絶望を貪る

曠野に斃れた言葉の残骸を 蛆虫が這い喰うている

心臓は鼓動を辞め 血脈は萎み 胃は縮れ

へし折れた背骨は 墓にも入れぬまま

還れぬ涙を連れて 不毛な畑におちていく

だれもいない 孤独な里で

魂の悲鳴だけが ありありと聞こえる

 

2024.5.27

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