俺たちは太陽の子だ、月の子だ。[703/1000]

この精神の乱脈も、所詮は神聖なものと俺は合点した。耐え難い熱に憑かれて無為の日を過ごしては、俺は獣物らの至福を羨んだ、―穢れをしらぬ土竜の睡りや、幽界の無垢にも似た青虫を。

ランボオ「地獄の季節」

倦んだ身体を故郷へ運ぶ、遠く冷たく暗い風。深い井戸に落ちまいか、子供は怯え、女は震え。この身の重荷を川に捨て、荒んだ身体に水を汲む。悪意に憑かれれば精神は壊れるが、健全な人間は太陽の下へ帰る道を知っている。俺たちは太陽の子だ、月の子だ。おぼえておこう。この世の無邪気を。

 

2024.5.22

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