「ショーシャンクの空に」感想。自由とはこの世に生まれた魂の悲哀[569/1000]
自由の輝きは、暗澹たる束縛のなかに眩く光る。 「ショーシャンクの空に」という映画が好きで、何度も見返している。ここに、描かれる壮大なテーマである「自由」は、厳格な規律に縛られる刑務所を背景に燦然と輝くものだ。  …
自由の輝きは、暗澹たる束縛のなかに眩く光る。 「ショーシャンクの空に」という映画が好きで、何度も見返している。ここに、描かれる壮大なテーマである「自由」は、厳格な規律に縛られる刑務所を背景に燦然と輝くものだ。  …
2023年1月上旬にスマホを手放した。以後10カ月、パソコンだけの生活をつづけてきたが、2023年10月に太陽光からまかなっていた充電バッテリーが故障したことを機に、完全にネットのない生活をはじめることにした。それに伴い…
涙が滞れば、無気力に屈しそうになる。 「素朴な水で胸奥を洗うことだ。」と大いなる智慧は言う。素朴な慣習を愛しているか。月を見上げること、言葉を綴ること、夜道を歩くこと、白湯をゆっくり胃に流し込むこと、ひとつずつあげていけ…
やりたいことを探して、幸せになれた試しが一度でもあっただろうか。 金になるかならないか、成功するかしないかを考えはじめれば、未来の灯火はひとつずつ消えてゆく。未来の可能性を探しているようで、自らの未来を狭めてしまっている…
電気のいっさいない三ヵ月の隠遁生活で、感情は森厳に整列した。脳髄は素朴な鎧を身に纏い強くなった。 文明生活のぬるま湯に馴染んだいまは、かれらも随分と放埓になった。ストーヴのおかげで手足が霜焼けになる心配はひとつもない。正…
島崎藤村の「破戒」の映画を観た。破戒は、隠遁中に感銘に受けた本の一つである。 差別を扱った題材に触れた後、「差別は駄目だ」と教条的に感化されることほど、偽善的なことはない。われわれは差別をしない”…
文明生活に舞い降りた。 なるほど「夜」を克服し、「寒さ」も物ともしない。温かい湯船に浸かりながら、ベートーヴェンの音楽だって聴ける。快適なぬるま湯につかりながら、自然に叩かれて強くなるのが生命だと断言できそうだと思った。…
仕事がなくとも、仕事をしろと言われる。書くことがなくとも、書けと言われる。こうした主客転倒を時に生み出す規律のなかでは、時間を克服できない人間の弱点が露出し、われわれは虚無に陥る。 主客転倒といえば、昨日も書いた、生の原…
隠遁中の三ヵ月は、色んな「主義」を言葉にした。エピクロスの東洋的快楽主義からはじまり、禁欲主義、神秘主義、民主主義、個人自由主義、耽美主義、ロマン主義、ヒューマニズムである人間主義、人文主義など、あげればキリがない。 &…
悲哀は高尚だ。なぜなら、悲哀は人間に祈りを要求するからである。天に身を捧ぐことを要求するからである。 明るいこと、楽しいことを、われわれは人に話す。明るいこと、楽しいことは、現世に帰る場所がある。だが、悲哀には帰る場所が…