人権、人権というが、資本主義とは、金のもとに姿形を変えた奴隷制度ではないか。[791/1000]
炎天下の畑に焼かれていると頭が朦朧としてくる。数十メートルあろう畝を行ったり来たりしながら、苗を黙々と定植していると、気づけば倒れそうになっていた。俺たちはもっと太陽を信頼してもいい。そう言葉にしたものの、熱渦の淵に身を…
炎天下の畑に焼かれていると頭が朦朧としてくる。数十メートルあろう畝を行ったり来たりしながら、苗を黙々と定植していると、気づけば倒れそうになっていた。俺たちはもっと太陽を信頼してもいい。そう言葉にしたものの、熱渦の淵に身を…
恋はみな背が低くなり、忍ぶことが少なければ少ないほど恋愛はイメージの広がりを失い、障害を乗り越える勇気を失い、社会の道徳を変革する革命的情熱を失い、その内容する象徴的意味を失い、また同時に獲得の喜びを失い、獲得できぬこと…
美しいものは強くいきいきと、エネルギーにあふれていなければならない。それがまず第一の前提であるから、道徳的であることは美しくなければならないことである。しかし、それは衣装を吟味したり、女風になることではなくて、美と倫理的…
お盆だ。先祖の墓参りに帰りもせず、森で一人、木こりをしている。爺ちゃん婆ちゃんの家が懐かしい。今は取り壊されて駐車場となってしまった。広い座敷があって、正月には親戚が二十人近く顔を合わせて座ることもできた。もうあの賑やか…
力あるところに宇宙は生まれ、力失うところに宇宙は消滅する。宇宙存在の本質が力であるなら、生命にとって善とは力であり、悪とは無力である。力の湧いてくる生き方は道徳的であるといえるし、無力に陥っていく生き方は非道徳的であると…
合理的に考えれば死は損であり、生は得であるから、だれも喜んで死へおもむくものはいない。 (略) 近代ヒューマニズムといえども、他人の死でなくて、自分の死を賭けるときには、英雄的な力を持つでもあろうが、そのいちばん堕落した…
ヨーロッパ近代理念における愛国心も、すべてアガペーに源泉を持っているといってよい。しかし日本では極端にいうと国を愛するということはないのである。女を愛するということはないのである。日本人本来の精神構造の中においては、エロ…
時代が死に場所を与えてくれないのなら、自分で死に場所を見つけるしかない。今日ではそのことを”やりたいこと”と表現されるが、それは間違っている。やりたいことでなくとも、死ぬまでこの人に仕えたいとか、…
己が真に欲するものをほんとうに分かっているのか。とりもちに捕まったスズメのように、時代の幻想に絡めとられていないとどうして言えよう。後生大事に自分を抱え、まるで小さな子供のように、あの手この手でエゴイズムを砂上に転がして…
この幸福が行く時は、 ああ、おさらばの時だろう。 季節よ、城よ。 ランボオ「地獄の季節」 深い夜を追い越して 腹に舞い込む幸福が 農夫を照らす澄明に 麦わら帽子でお辞儀しろ キャベツ畑に横たわ…