宇宙は各々の生命が、力に生きた結果を調和と呼ぶ[865/1000]
私もまた堕落した現代人だと言うのは、力を信仰しながらも、いっぽうで無力に敗北することを心のどこかで認めているからである。樹を倒すにしても、全てをノコギリでこなすことはついに諦め、文明の賜物であるチェーンソーを使うようにな…
私もまた堕落した現代人だと言うのは、力を信仰しながらも、いっぽうで無力に敗北することを心のどこかで認めているからである。樹を倒すにしても、全てをノコギリでこなすことはついに諦め、文明の賜物であるチェーンソーを使うようにな…
人間が無力に敗北した結果、自殺に及ぶというのなら、おれたちは何としても力の道を歩まねばならぬ。だが、信仰なくしてこの世で力を得られるほど、無力も貧弱ではない。ゆえに、信仰を失った今日には、無気力が蔓延る。自分を信じる以上…
捨て身だ。どうしようもなくなれば、この身一つを雪山に差し出せばいい。つめたい雪どけ水が、身体に染みついた塵垢を流してくれる。やがて、気まぐれな風が戯れにやってきて、朗らかな太陽が濡れた身体を温めてくれる。そうして何度も愛…
一日一食しか食わぬ。それでいて毎日が肉体労働だ。朝から夕まで雨に打たれ、寒さに立ち向かわなければならぬというところで、身体は環境に適応するために、生命のエキスを絞り出す。細胞を若返らせるオートファジーが、空腹によって引き…
おお 澄明な生活に 魂はまどろんで おお 人との交わりに 魂は目ざめよう 眠って踊る 生活は唄 目ざめて彷徨う 現世は砂漠 枯れ萎れる魂に 過ぎる風のつめたさと 追われる孤道の道端に 揺れる綿毛のあたたかさ …
澄明な朝を包む雲海 雲海からそびえ立つ富士の山 暖気が天に昇り 冷気が地に降り立つのは 大気をかき混ぜる 壮大な神の営み 神秘をやさしく温めるように 黄金の朝陽は世界を照らす そうして去り行く神秘のあとを いつまでも追っ…
何かを頂いたら何かをお返しするのが、村の人付き合いである。黒豆をもらったら、翌日には、庭先で育った柿を持っていくのである。村は情だけで成り立っていると思われるかもしれないが、実は形式を重んじているというのが、この数ヵ月、…
なぜ、労苦する者に光を賜り 悩み嘆く者を生かしておられるのか。 彼らは死を待っているが、死は来ない。 地に埋もれた宝にもまさって 死を探し求めているのに。 墓を見出すことさえできれば 喜び踊り、歓喜するだろうに。 「ヨブ…
冬が迫る。猟期も迫る。それなのに、いまだ基礎工事に勤しんでいる。せっせと穴を掘り、砕石を運んで埋めていく。地道な肉体労働であるが、小屋づくりは少しずつ進んでいる。先は遠いが、今日やれることを必死にやっていれば、あとは時が…
年の節目において、人は神様の足音を聞く。忘年だ。労苦の日々は、元ある場所に帰っていくように、われわれの心を離れて、天へ…神様のもとへと還ってゆく。年の瀬、肉体は魂から自由になるようだ。苦しみを忘れ、興に酔う。 年を越すと…