ソローの森の生活に憧れて①[608/1000]
森で素朴な暮らしをしようと思ったきっかけ一つに、ソローの「森の生活」がある。ソローはウォールデン湖畔の森の中に丸太小屋を建て、2年間、自然と一体になった暮らしをした。現代と距離を置いた隠遁生活であり、四季の移ろいや動植物…
森で素朴な暮らしをしようと思ったきっかけ一つに、ソローの「森の生活」がある。ソローはウォールデン湖畔の森の中に丸太小屋を建て、2年間、自然と一体になった暮らしをした。現代と距離を置いた隠遁生活であり、四季の移ろいや動植物…
自分が何も悪いことをしていなくとも、罪悪感をおぼえるときがある。反対に、自分が社会的に悪い存在になろうとも、罪悪感を抱かないときがある。罪の意識は他者に対して抱くものではなく、己自身に抱くものだ。厳密にいえば、己の神に対…
自己を精神として意識していないというちょうどそのことが絶望であり無精神性である、―こういう状態はときとして完全な無気力の状態でもあろうし或いはまた単なる酔生夢死の生活ないしはまたかえって精力の倍加された生活であるかもしれ…
勘定に乏しく 暮らしに根も張らぬまま 浮生に流れゆく雲のごとく あちこち気ままに旅をして 春風の香に胸焦がし 木枯らしには身を隠す 森厳の妙薬を服し 天涯孤独に詩を謳う 80億も人間がいる世の中だ。そんな人…
2024年2月27日にインドに旅立つ。首都デリーにまず向かい、ガンジス川を生活に汲むバラナシ、ブッタが悟りを開いたブッタガヤ、混沌の地コルカタの順に、北インドの4つの街を遍歴することにした。 予算は10万円だ。宿が1泊5…
秘すれば花なり 秘せずは花なるべからず。これは世阿弥の言葉である。 秘密の多い女に男が夢中になるのはどうしてだろう。内に秘められるものがあるほど、対象の宇宙が広がっていくからではなかろうか。そして男もまた、女に対する想い…
社会に慣れ親しむほど、雄々しさを放棄してしまうことがある。権力者に首を差し出せと言われて、素直に首を差し出すやつがいれば、保守的な人間は立派な忠義だと褒め称えるかもしれない。だが、「うるせえ、ふざけんな」と抗う選択肢だっ…
「女々しい」とは、男に対して用いられる言葉である。女に対しては、女々しいとは言わない。だが、女が女々しいというわけでもない。男には男なりの雄々しさがあり、女には女なりの雄々しさがある。だが、男には「男になる」という言葉が…
どうして僕はこんなにかなしいのだろう。僕はもっとこころもちをきれいに大きくもたなければいけない。あすこの岸のずうっと向こうにまるでけむりのような小さな青い火が見える。あれはほんとうにしずかでつめたい。僕はあれをよく見てこ…
生活の深みにはまるほど、抜け出すために相応の力が必要になる。例えば、1週間引きこもってしまうと「このままではいけない」という健全なる社会性によって、彼は沼から引き出される。だが、これが半年や1年になると、かつての社会性は…