無力とは何もしないことではない。これまで苦労して築き上げたものを台無しにすることだ。[738/1000]
余に問う 何の意あってか碧山に棲むと 笑って答えず 心自ずから閑なり 桃花 流水 ヨウゼンとして去る 別に天地の人間に非ざる有り 李白 旧冬、私は森に身を隠した。書物を友とし、自然を愉しみ、世俗の関心ごとの…
余に問う 何の意あってか碧山に棲むと 笑って答えず 心自ずから閑なり 桃花 流水 ヨウゼンとして去る 別に天地の人間に非ざる有り 李白 旧冬、私は森に身を隠した。書物を友とし、自然を愉しみ、世俗の関心ごとの…
死する道におゐては、武士斗(ばかり)にかぎらず、出家にても、女にても、百姓已下(いか)に至る迄、義理をしり、恥をおもひ、死する所を思ひきる事は、其差別なきもの也。 宮本武蔵「五輪書」 時代が変わり世相が移ろうても、大事な…
俺の精神よ、気をつけろ。過激な救いにくみするな、鍛錬を積む事だ。―ああ、科学は俺たちの眼にはまだるっこい。 … 俺の精神が、この瞬間から絶えずはっきりと目覚めていてくれるものとしたら、俺たちはやがて真理に行き着くだろうに…
ああ、純潔よ、純潔よ。 俺に純潔の夢を与えたものはこの目覚めの時だ。―精神を通して、人は『神』に至る。 ランボオ「地獄の季節」 文明は爛熟を装い、科学は人を虜にする。かつて困窮に咽び強いられた粗野で野蛮な生…
冷雨を心に留め 人の世を眺める 朝陽に連なる 碧山よ 泰平の世を彷徨うて いまだ魂は大地を問う 熊や鹿や猪は 変わらぬ山を疾駆して 猟師に撃たれた古傷を 優しく舌で舐めまわす おお 山の神秘らは 今も何処かに身をひそめ …
わが友よ、のがれなさい、あなたの孤独のなかへ!あなたは、いわゆる世の偉人どものひきおこす喧噪によって、耳をつぶされ、また世の小人どもの毒をもった針によって、刺されつづけているではないか? ニーチェ「ツァラトゥストラはこう…
「主よ、どこへ行かれるのですか。」イエスが答えられた。「わたしの行く所に、あなたは今ついて来ることはできないが、後でついて来ることになる。」 ヨハネによる福音書 13.36 「汝、我が民を見捨てなば、我、ローマに行きて今…
一方の手の指で永遠に触れ、一方の手の指で人生に触れることは不可能である。人生に対する行為の意味が、或る瞬間に対して忠実を誓い、その瞬間を立止らせることにあるとすれば、おそらく金閣はこれを知悉していて、わずかのあいだ私の疎…
父の司っている死の世界と、若者たちの生の世界とが、戦争を媒介として、結ばれつつあるのを感じていた。私はその結び目になるのだろう。私が戦士すれば、目の前のこの岐れ道のどっちを行っても、結局同じだったことが判明するだろう。 …
孤独な者よ!あなたは愛する者の道を行く。あなたはあなた自身を愛し、それゆえにあなた自身を軽蔑しなければならぬ。それは愛する者だけの知っている軽蔑だ。 … わたしの涙をたずさえて、あなたの孤独のなかに行きなさい。わが兄弟よ…