自分を信じる以上に、自分以上の存在を固く信じるから、この身を力に委ねることができるのだ。[864/1000]
人間が無力に敗北した結果、自殺に及ぶというのなら、おれたちは何としても力の道を歩まねばならぬ。だが、信仰なくしてこの世で力を得られるほど、無力も貧弱ではない。ゆえに、信仰を失った今日には、無気力が蔓延る。自分を信じる以上…
人間が無力に敗北した結果、自殺に及ぶというのなら、おれたちは何としても力の道を歩まねばならぬ。だが、信仰なくしてこの世で力を得られるほど、無力も貧弱ではない。ゆえに、信仰を失った今日には、無気力が蔓延る。自分を信じる以上…
捨て身だ。どうしようもなくなれば、この身一つを雪山に差し出せばいい。つめたい雪どけ水が、身体に染みついた塵垢を流してくれる。やがて、気まぐれな風が戯れにやってきて、朗らかな太陽が濡れた身体を温めてくれる。そうして何度も愛…
一日一食しか食わぬ。それでいて毎日が肉体労働だ。朝から夕まで雨に打たれ、寒さに立ち向かわなければならぬというところで、身体は環境に適応するために、生命のエキスを絞り出す。細胞を若返らせるオートファジーが、空腹によって引き…
おお 澄明な生活に 魂はまどろんで おお 人との交わりに 魂は目ざめよう 眠って踊る 生活は唄 目ざめて彷徨う 現世は砂漠 枯れ萎れる魂に 過ぎる風のつめたさと 追われる孤道の道端に 揺れる綿毛のあたたかさ …
澄明な朝を包む雲海 雲海からそびえ立つ富士の山 暖気が天に昇り 冷気が地に降り立つのは 大気をかき混ぜる 壮大な神の営み 神秘をやさしく温めるように 黄金の朝陽は世界を照らす そうして去り行く神秘のあとを いつまでも追っ…
何かを頂いたら何かをお返しするのが、村の人付き合いである。黒豆をもらったら、翌日には、庭先で育った柿を持っていくのである。村は情だけで成り立っていると思われるかもしれないが、実は形式を重んじているというのが、この数ヵ月、…
なぜ、労苦する者に光を賜り 悩み嘆く者を生かしておられるのか。 彼らは死を待っているが、死は来ない。 地に埋もれた宝にもまさって 死を探し求めているのに。 墓を見出すことさえできれば 喜び踊り、歓喜するだろうに。 「ヨブ…
冬が迫る。猟期も迫る。それなのに、いまだ基礎工事に勤しんでいる。せっせと穴を掘り、砕石を運んで埋めていく。地道な肉体労働であるが、小屋づくりは少しずつ進んでいる。先は遠いが、今日やれることを必死にやっていれば、あとは時が…
年の節目において、人は神様の足音を聞く。忘年だ。労苦の日々は、元ある場所に帰っていくように、われわれの心を離れて、天へ…神様のもとへと還ってゆく。年の瀬、肉体は魂から自由になるようだ。苦しみを忘れ、興に酔う。 年を越すと…
玄米は霊性食である。もし、日本人が皆、玄米を食うようになれば、肚の底に力が漲り、深い誇りのようなものが呼び醒まされると、半ば本気で信じている。あくまで想像を語るだけである。だが、戦後、給食にパンが導入され、ハンバーガーや…