床が完成した。大引きに縦張りしたあと、さらにその上から横張りした。3センチと3センチ。床の厚みだけで6センチある。正直、私にはもったいない木材のつかい方だ。だが、合板を使わず強度を出すことと、断熱材を少なくし家を温かくしようと心得たとき、素人の私に思いつくのは、単純に厚みのある木材を重ねることだった。6センチ厚の杉板は、床の強度を高めるだけでなく、断熱効果も期待できる。丸太が積み上げられたログハウスが断熱材を必要としないのは、厚みのある木材には、それなりの断熱効果があるからだ。断熱材は劣化してゴミになる。だが木材は古材として、百年単位で生き、そのまま大地に還っていく。地球環境を慮ってということではない。人間の文化と力を信ずればこそ、科学信仰を離れ、自然のもの、古典的なものの土台で生活してみたくなる。
こたび作ろうとしているのは、三角形の家である。杉柱を使ってAの形をしたフレームを複数つくり、側面に壁を打ちつけていく。三角形の形状は雪や風に強い。壁と屋根が一体となるため、材料も手間も少なくてすむ。何より洞窟っぽい。熱が凝縮されそうな感じがあって、寒さをしのぐための家としては最適に思われる。
土台と床が完成し、家づくりの峠は越えただろう。次は、柱となる木材を調達し、加工して、連結し、立ち上げていく。点が線となり、線が面となった。そしていよいよ、面が立体となる瞬間だ。気づけばもう12月。今年中に完成できるか。分からぬが、毎日できることをやっていくしかない。
2024.11.29