エネルギーの賛美(詩)[537/1000]
天よ 雷霆を地に叩け 幸福に棲みつく暗い影を 情熱の底で嘲笑う無気力を 道徳の格を蝕む淫蕩を 悉く焼き尽くしてしまえ 海よ 嵐を連れて猛り狂え 苦悩に酔い痴れた放埓に 悪意に閉ざされた月光に 不幸に暴かれた…
天よ 雷霆を地に叩け 幸福に棲みつく暗い影を 情熱の底で嘲笑う無気力を 道徳の格を蝕む淫蕩を 悉く焼き尽くしてしまえ 海よ 嵐を連れて猛り狂え 苦悩に酔い痴れた放埓に 悪意に閉ざされた月光に 不幸に暴かれた…
弓を絞れ わが身をかけて引き絞れ 今にも切れんとする 雪山の峰のように張り詰めた弦を ぎりぎりまで引き絞り 人類の軍鼓を胸に叩き 聡明な眼に光る 一番遠いところへ 打ち放てよ 剛毅果断たる 運命の大将軍よ …
ああ、幸福よ。既に成就している幸福のなかで、どうして幸福のために生きられよう。 ああ、自由よ。既に成就している自由のなかで、どうしてこれ以上自由を欲せよう。 幸福と自由が連れだした生の倦怠、倦怠の連れである…
「ハムレット」「マクベス」「リア王」「オセロウ」、シェイクスピアの四大悲劇を改めて読み直している。 私はどうも「リア王」に共振する部分が多く、リアの台詞をつい暗唱した。王の座から乞食同然、地に堕ちるリアが荒野をさまよい、…
師走になってからは、一気に冷えてきた。おもてに放置した飲み水は、明け方カチカチの氷になる。火を起こして、束の間の暖をとり、冬と生命の戦いが本格的に繰り広げられるようになった。 隠遁生活も三ヵ月目に入り、さい…
生の中にいては死を見つめ、死の中にいては生を見つめる。幸福で聡明で敬虔な世界を前にしながら、背後にそびえ立つ女神像の存在と、地獄を思わせる凄惨な畏怖を忘れないこと。 これが、生を自己目的とせず、死の悪意にも堕落しない世界…
連日の無秩序な、文章の数々をお赦し願いたい。私自身、いまだ、思想を固めている途上の人間、被教育側の人間である。恥ずかしながら、こうして考えを投稿させてもらっている立場である。 トーマスマンの「魔の山」に甚大な影響を受ける…
愛することについて、様々な意見を耳にする。よくあるものは、「まず自分を愛せ」というものだ。これは、確かに真理をついているように思うが、自分を愛するための道筋は、まだ深い霧に包まれている。 今日、私の頭にあるのは、その第一…
どうも頭のなかに小人が住み着いた。日夜乱痴気騒ぎで、読書もまともにできやしない。堕落とは悪意にはじまり、善意に終わるものではなかったのか。つい先日、詩作をはじめる前には、悪意の底から善意を掘り出したように思われた。 人間…
愛せない人間の、悪意の底にあるものは、魂の悲憤の涙である。 願望は愛を欲するも、幸福に慣れ親しむことが、魂の消滅を予感させるなら、大きな人間愛が悪意を選ぶ。 魂と愛は、二律背反だろうか。人間を愛しながら、善…