この記事では、終わりのない自分探しを、効率よく進めるために必要な技術について紹介します。
自分探しって何となくやってきはいるものの、
自分が一体何をやりたいのか、どこを目指しているのか、分からなくなってしまうことってありますよね。
永遠に彷徨ってしまうことを回避するためには、
しっかりと『言語化』+『自己検証』することが必要です。
『言語化』+『検証』を具体的にどうやっていくのかを知り、
自分探しを効率よくやっていきましょう!
1 自分探しに言語化が必要な理由

言語化が必要な理由POINT
- 自分探しをする上では自分が直視することを避けている本当の自分を見つめることが必要。
- 言葉に起こすプロセスでは、自分の感情や気持ちを精密に観察せざるを得ない。
- 言葉として可視化することで、次のアクションに繋げやすくなる。
本当の自分が分からないという状態は、自分の感覚に鈍感になっている状態です。
そもそも、自分の感覚に鈍感になってしまった原因のもとは学校教育にあります。
私たちは、学校教育で自分の感覚を言語化したり、
感情を表現することをほとんどしてきませんでした。
そればかりか、受験のプレッシャーを抱えながら、親や先生の期待を背負って、
自分の本当の感情や気持ちを無視して目の前のことを必死にこなしてきました。
その結果、自分の気持ちに鈍感になってしまい、
「自分は本当は何がしたいのか分からない…(驚愕)」となってしまうのです。
自分の感情や気持ちを取り戻すためには、
今からでも、自分の感情や気持ちを言葉で表現することが必要です。
言葉で表現しようとすることが、自分の精密な気持ちと向き合うトリガーになるからです。
自分のやりたいことが外に転がっていると信じ、自分を直視しないのは、
「やりたいことを追っている自分」に酔っているのと同じです。
本当の自分は外の世界にいるのではなく、自分の内側にいるからです。
それではいつまでも終わりがありません。
それに、大学生くらいになってもなお、自分のことが分からない場合、
経験値が不足しているというよりも、自分の価値観に蓋をしてしまっている可能性の方が高いです。
始めるのはいつでも遅くありません。
今日からでも始めましょう!
2 自分探しに自己検証が必要な理由

自己検証が必要な理由POINT
- 自己検証とは、表面化した価値観を行動によってさらに深いところまで掘り下げること
- 自己検証を通じて、心のノイズを徐々に取り払うことができる。
- 心のノイズとは、本当の自分を覆い隠している心の深くに根付いたプライドや恐怖のこと
- 検証を繰り返していくことで、根深い部分の本当の自分があらわになる。
実際に自分の価値観を言葉で表現したにも関わらず、自分探しが進まない理由は、
言葉に表現した後、そのまま放置してしまうからです。
人は今まで見えなかった自分の新しい一面が見つかると、ある種の快感を得ます。
しかし、その快感で満足していては、いつまで経っても深い部分の自分を見つけることが出来ません。
自分探しの目的は何でしょうか?
自分がどうすればいつもワクワクできるか、自分はどんなことを人生のミッションに掲げていきたいのか、
そんな深いものを今この記事を読まれている方は求めているはずです。
もしそうであれば、言語化して満足するのではなく、次のフェーズに進んでいく必要があります。
それが自己検証です。
自己検証とは、表面化した価値観を行動によってさらに深いところまで掘り下げることです。
先ほどもいったように、学校教育によって自分の価値観を抑えられてしまった人は、
一度やそっとの言語化では、積み重なったノイズが邪魔して、奥深くにある価値観にたどりつけません。
そのノイズとは、自分の無意識に働いているプライドであったり、
自分の深い部分に根差した心の傷(恐怖)などがそれに当たります。
だから一度顕在化した部分から、検証をすることで、これらのノイズを取り払っていき、
さらに奥深い所にいる自分を言語化していきます。
この検証の繰り返しによって、本当に自分がワクワクする感情であったり、
人生において本当に自分が成し遂げたいことを見つけていくことが出来ます。
3 本当の自分を見つけるための言語化のやり方とは?

- 自分の感情が動いた経験を書き出す。
- 経験から価値観を抽象化する。
- 抽象化した価値観を整理する。
Step1
感情が動いた経験を書き出す。

自分の感情が動いた出来事を書き出します。
頭で導き出した正しさよりも、
感情が動いた所に自分の本当の価値観が眠っているからです。
喜怒哀楽どんな感情でもいいです。
※ここでは僕自身がアメリカに留学した時にワクワクした経験を題材とします。
・アメリカへの交換留学が楽しかった
Step2
経験から価値観を抽象化する。

経験した事実に対して、なぜ心が動いたか書き出してみることで、
自分がワクワクすることの本質を見つけていきます。
やり方は、Step1で導き出した事実に「なぜ?」を問いかけてみます。
自分が今まで見えなかったものが見えるまで「なぜ?」の問いを繰り返してみましょう。
5回ほど「なぜ?」を繰り返しても良いかもしれません。
コツは、可能な限り心のノイズを取り払うことです。
最初は難しいかもしれませんが、なるべく素直にやってみてください。
・アメリカへの交換留学が楽しかった→
『なぜ?』→フレンドリーなアメリカ人とたくさん交流できたから→
『なぜそれが楽しかった?』→日本人との気質の違いにギャップを感じたから→
『なぜそこに感情を揺さぶられた?』→日本人の閉鎖的な気質が正直あんまり好きじゃないから→
『なぜ?』→死んだ魚のような目をしている大人たちを見てると、何のために生きてるのか分からなくなるから
『なぜそう思う?』→人がもっとオープンで笑顔で溢れるような社会を見たいから。
Step3
抽象化した価値観を整理する。

経験からの抽象化がうまくいけば、
ここまででもかなり自分のことが分かってきます。
ただ、例のようにスムーズに進まなくても、心配しなくて大丈夫です。
普通は、ノイズに邪魔されて、1回で自分の根深い所まで辿り着けません。
そのために、検証を行っていくのです。
ここでは、検証に向けて、自分の価値観を整理しましょう。
・自分は見たことのない世界や新しい人と出会うことにワクワク感を覚える。
・自分はフレンドリーでイキイキとしている社会が見たい。
・自分は日本の閉鎖的な気質に、深い憤りを感じる。
4 本当の自分を見つけるための検証のやり方とは?

準備物:言語化パートで整理したもの (Step3 抽象化した価値観を整理する。)
④準備物をもとに、価値観の転用先はあるか考える。
⑤転用したものが実行可能であれば検証する。
⑥検証を振り返り、再び抽象化する。
⑦抽象化したものをもとに、再び検証していく。
Step4
準備物をもとに、
価値観の転用先はあるか考える。

自分が整理したものを頼りに、他にどんなことで自分は感情を揺さぶれそうか考えていきます。
これを転用と言いますが、転用することで別の具体をつくりだし、
別の具体から感じた価値観をもう一度抽象化することで、別の角度から自分の価値観を削っていくことが出来ます。
砂山(ノイズ)を色んな角度から崩して、砂山の中心に刺さった棒に近づいていくイメージです。
・自分は見たことのない世界や新しい人と出会うことにワクワク感を覚える。→ヒッチハイク旅、世界一周
・自分はフレンドリーでイキイキとしている社会が見たい。→空間(カフェ、バー)、人材会社、教育
・自分は日本の閉鎖的な気質に、深い憤りを感じる。→公教育から日本を変える→学校の先生になる
Step 5
転用したものが実行可能であれば検証する。

実際に、自分がこれなら面白そうだと思ったものを、実際にやってみます。
この段階では別に、100%ワクワクしていなくてもいいです。
心にノイズがかかっていればいるほど、最初から100%ワクワクするものを見つけることは困難です。
しかし、行動に移して、自分の価値観を検証することが大事なのです。
それを通じて、ノイズがふるいにかけて徐々に落としていくいくからです。
これは絶対にやった方がいいです。
ちょっとでも感情が揺れるものをやっていかないと、そこに潜む本質がいつまでも見えないからです。
・ヒッチハイクで日本一周をする。
・学校の先生になってみる。
※実際に僕が行動に移したことです。
Step 6
検証を振り返り、再び抽象化する。

転用したことを、もう一度抽象化することで、別の角度から自分の価値観を深ぼっていきます。
前回抽象化した時よりも、ノイズは確実に減ってきているはずです。
やり方は、言語化の時と同様、やって感情が揺れ動いたことに対して、
「なぜ?(Why)」か問いかけていきます。
また、ここでは根深い所の自分の価値観を知ることが目的なので、
曖昧な言葉が出てきたときは、「何(What)」を使うことも効果的です。
・ヒッチハイクで日本一周が楽しかった。→
『なぜか?』→知らない人と心の繋がりを感じることが出来たから。
『なぜそこに感情が揺らいだ?』→愛を感じることが出来たから。
『なぜそれが嬉しい?』→自分は世界中の愛が繋がる世界が見たいから。・学校の先生になったけど、ちょっと違うなって思った→
『なぜか?』→学校の力が強すぎて自分の思う通りの教育が出来なかったから
『やりたい教育は何?』→もっと自由で本当に子供が幸せになる教育
『それはなぜ?』→自分が人生において純粋な学びと自由を大切にしているから。
Step 7
抽象化したものをもとに、再び検証していく。

言語化と検証を繰り返していけば、
自分のノイズが自分をごまかしきれなくなり、いずれ自分の核に辿り着きます。
それまでは、ひたすら自分の言葉で表現したことを行動にうつして検証していくしかありません。
しかし、中途半端な自分探しに満足して、色んなものに手を出していくよりも、
何か心が強烈に揺れ動いた1つのものからアプローチしていく方が、自分の深い所に辿り着けるという意味で効率的です。
Step 1:アメリカへの交換留学が楽しかった。
Step 2, 3 :
・自分は見たことのない世界や新しい人と出会うことにワクワク感を覚える。
・自分はフレンドリーでイキイキとしている社会が見たい。
・自分は日本の閉鎖的な気質に、深い憤りを感じる。
Step 4, 5:
・ヒッチハイクで日本一周をする。
・学校の先生になってみる。
Step 6:
・自分は世界中の愛が繋がる世界が見たい。
・純粋な学びと自由な教育を通じて、幸せな社会を見たい。
3 まとめ

人は螺旋状に成長すると言われますが、自分探しも螺旋状に行われて行きます。
是非挑戦してみてください。
- 自分の感情が動いた経験を書き出す。
- 経験から価値観を抽象化する。
- 抽象化した価値観を整理する。
- 整理したものをもとに、価値観の転用先はあるか考える。
- 転用したものが実行可能であれば検証する。
- 検証を振り返り、再び抽象化する。
- 抽象化したものをもとに、再び検証していく。
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