中核信念を変える方法!認知行動療法で自分を変える

人の全ての経験は、人の根底にある中核信念がつくりだしていると言っても過言ではありません。

悩み、感情、幸福度、全ては子供時代に培ってきた中核信念を起点として生まれているものです。

 

もしこの中核信念が否定的なものだと、日々の生活は辛いものになってしまいます。

この記事では、そんな自分の中核信念の見つけ方や、変える方法について紹介していきます。

 

1 中核信念とは

中核信念は、子供時代につくられる、自分や他人、世界に対する絶対的な捉え方のことです。

「私は明るい人間だ。」「他人はみんな優しい。」といったポジティブな中核信念もあれば、「私はダメな人間だ。」「他人は信用できない。」といったネガティブな中核信念もあります。

 

 

この中核信念は、人の基底にあるもので、この中核信念を起点として、人の感情や行動は決定されて行きます。

例えば、「自分は能力の無い人間だ。」という自己像が根底にある時、面白い仕事の話が舞い込んできても、自分じゃ出来ない。(自動思考)」と考えて悲しくなり(感情)怖気づいて逃げてしまう(行動)ということが起きます。

もし「自分は何でもできる人間だ。」という自己像を持っていれば、同じように面白い仕事の話が舞い込んできたとき、「楽しそうだからやってみよう!(自動思考)」と考えてワクワク(感情)して、実際に行動に移していきますよね。

 

 

自己否定的な中核信念を持てば、行動は消極的になりますし、自己肯定感も下げてしまいます。

しかし自己肯定的な中核信念を持てば、行動はポジティブなものになり、自己肯定感も上がっていきます。

 

 

このように、持ちうる信念によって結果が180度変わってきます。

だから、どんな中核信念を持つかが、人生を決めると言っても過言ではないんですよね。

 

 

中核信念って変えられるの!?と思われた方もいると思いますが、ベック博士は『信念はもう一度学び直すことも可能』だと述べています。

根強いものに関しては、認知療法士の手助けが必要だと思いますが、ここでは自分一人でもできるワークを紹介していきます。

 

1.1 中核信念の分類

自己否定的な中核信念は、2つに分類されます。

  1. 「私は能力がない」型
  2. 「私は好かれない」型

 

【私は能力がない型の例】

  • 「私はダメな人間だ」
  • 「私には力がない」
  • 「私は頼りない」
  • 「私には〇〇なんてできない」
  • 「私は他人より劣る」
  • 「自分にはできない」etc.

 

【私は好かれない型の例】

  • 「私はあの人にふさわしくない」
  • 「私は人から拒絶される」
  • 「私は誰からも相手にされない」
  • 「私には魅力がない」
  • 「私はずっと孤独だ。」 etc.

 

日常的に、「どうせ…」や「私じゃ…」「私なんか…」といった言葉が脳裏によぎってしまうのは、この自己否定的な信念が根底にあると考えられますね。

 

この「私は能力がない型」と「私は好かれない型」は、2つにまたがっている時もあれば、どちらか一方だけを抱えている場合もあります。

こうしてリストにして可視化してみると、自分の中の種の信念が何となく整理されそうですよね。

 

2 中核信念を見つける(STEP 1)

中核信念は根底にあるものですが、僕は見つけることは難しくないと思っています。

理由は、1.1で見たように、中核信念が「私は能力がない型」と「私は好かれない型」の2型に分けられることが既に分かっているからです。

2つの中でどちらかに帰属すると考えれば、曖昧な言語化であっても本質はすぐに見つかりそうですよね。

 

2.1 中核信念を見つけるタイミング

また、信念を見つける時は、感情が強く揺れている時に行った方が見つかりやすくなります。

これは、中核信念が活性化しているサインだからです。

 

 

例えば、「自分には無理だ」という中核信念を抱えている場合、何かに失敗して強い悲しみを感じている時ほど、背後にある「自分には無理だ」という信念が強調されていることになります。

際立っている時の方が、自覚しやすいですよね。

 

だから1つの目安として、自分の中に強い感情を感じている時に、中核信念を探ってみてください。

 

2.2 中核信念を見つける方法

とは言っても、せっかくなので1つ一緒にやってみましょう。

 

中核信念を見つけるには、『下向き矢印法』を用います。

これは、自動思考と媒介信念に焦点を当てた時も用いた方法ですね。下向き矢印法は万能です。

 

下向き矢印法は、感情や思考から、「問い」を用いて掘り下げていく方法ですね。

「下向き」に向かって…、つまり表面から深層に向かって信念を言語化していくイメージです。

 

下向き矢印法 問いリスト

  1. 「それが事実ならば、どういうことになるのか?」
  2. 「それの何が都合が悪いのか?」
  3. 「それの最悪な点はどのようなことか?」
  4. 「それはどんなことを意味するのか?」

 

【例1】

状況:イチャイチャしているカップルを見る

感情:悲しみ(60%),嫉妬(70%)

自動思考:「自分もあんな風にしたい。羨ましい。」

 

Q. それはどんなことを意味するのか?

A. 自分は素敵なパートナーには出会えない。

Q. それはどんなことを意味するのか?

A. 自分には魅力が無い。(=「私は好かれない」型)


【例2

状況:SNSで友達が充実した日々を送っている様子を見る

感情:不安(70%)

自動思考:「凄く幸せそうだ。それと比べて自分の生活は充実していない。」

 

Q. それの何が都合が悪いのか?

A. 自分だけが取り残されてしまう。

Q. それの何が都合が悪いのか?

A. 自分は他人よりも劣る(=「私は能力がない」型)

 

3 中核信念を書き換える(STEP 2)

媒介信念でのステップと同様、ここでも古い中核信念を合理的なものに書き換えていきます。

これは、道しるべのようなもので、自分がどこに向かえばいいのか把握するために行うものです。

 

ただ、ネガティブな中核信念を書き変える時、極端にポジティブなものを作る必要はありません。

「私は人から好かれない。」を、「私は誰からも好かれる。」と自分を騙すように無理をするよりも、「私は相性が合わない人もいるが、おおむね人に好かれる。」の方が信じることができるのであれば、そちらの方が自分に馴染みそうですよね。

 

ここでのポイントは、自分の新しい信念にどのくらい納得感を持てるかです。

より合理的な信念に書き換えたら、それをどのくらい納得感を得られているか、%を書いてみましょう。

【例】

「私は人から好かれない」⇒「相性が合わない人もいるが、おおむね人に好かれる。」(60%)

「私は能力がない」⇒「時にはミスをすることもあるが、私は大体のことで力を発揮できる」(50%)

「私は孤独だ。」⇒「私は一人の時間が好きだが、私のことを心配してくれる友達もいる。」(40%)

「私は他人より劣る。」⇒「他人よりも劣る部分は当然あるが、自分には比べられない良さがある。」(70%)

「私には魅力が無い。」⇒「私は良い面も悪い面も併せ持っている。」(60%)

 

4 新しい中核信念を強める(STEP 3)

古い中核信念を、より合理的なものに書き換えたらその信念を強めていきましょう。

STEP 2での、新しい信念の横に書いたパーセント(%)を高めていくステップですね。

ここでは次の3つを紹介します。

  1. 行動実験
  2. リフレーミング
  3. ルーツを捉え直す

 

4.1 行動実験

行動実験は、媒介信念を修正する時にも用いたものですね。

書き換えた信念が合理的であることを行動を通じて実験的に体験していくことが行動実験です。

 

体験を通じて、人はもとの信念を強化するので、実際に頭で考えるだけではなく、行動にうつすことは信念を書き換える上で非常に強力に働きます。

 

4.2 新しい信念を通じて思考をシフト

これは、新しく書き換えた信念のフィルターを通して、新しく世界を捉え直すワークです。

中核信念を書き換えるということは、これまで当たり前に感じていたことを、根本からとらえ直すことになります。

 

行動で捉え方を変えようとする方法に対して、これは思考から捉え直す方法ですね。

次の2つを行っていきます。

思考シフトの手順

  1. 古い信念と相反して、新しい信念と合致する根拠を見つける。
  2. 古い信念を支持する根拠と、新しい信念を通してのリフレーミング。

 

コツとしては、誰から見ても客観的な事実をあげていくことです。

主観的な解釈で物事を捉えてしまうと、気分によってプラスにもマイナスにも振れてしまうからですね。

 

【例】

古い信念:「私は人から好かれない」(50%)

新しい信念:「相性が合わない人もいるが、おおむね人に好かれる。」(50%)

 

▼古い信念と相反して、新しい信念と合致する根拠

  • 家族に会うたびに、笑顔で過ごせる。
  • LINEをくれる友達が少なくとも3人はいる。
  • 職場には気の合わない人も2人くらいいるけど、気の合う人は5人以上いる。
  • 先日、知らない相手から話しかけられた。
  • 向こう3日間を振り返った時、人と会って嫌な顔をされたことは一度もなかった。

 

古い信念を支持する根拠と、新しい信念を通してのリフレーミング

  • 職場に気の合わない人が2人いる。しかし、この2人はたまたま機嫌が悪かっただけかもしれないし、時間が経てば関係が改善される可能性は十分ある。
  • コンビニの店員さんに、雑な対応をされた。しかし、前のお客さんが嫌なお客さんで、この店員さんはたまたま心を閉ざしてしまっていただけなのかもしれない。だから、これは自分の問題というよりも、この店員さんの問題である。
  • 上司の電話口でのトーンが暗かった。もしかしたら、自分に対して好感を持っていないのかもしれないが、それと同じくらい、上司も疲れていて気が回らないのかもしれない可能性がある。もし、自分が人から好かれないのであれば、全く相手にすらされないはず。

 

▼ワーク後の信念の強さの変化

古い信念:「私は人から好かれない」(50%→20%)

新しい信念:「相性が合わない人もいるが、おおむね人に好かれる。」(50→80%

 

 

4.3 子供時代の経験を再構成する

自分の過去の解釈を捉え直すことで、自己否定的な中核信念を弱めることができます。

 

中核信念は、子供時代の経験から生まれて、その経験は自己解釈の上に存在しています。

辛かった過去、楽しかった過去、嬉しかった過去、全ては自分の解釈にすぎません。

 

自己否定的な中核信念を作り出した過去もまた、解釈の上に成立しています。

そして、これまで生きてきた中で、中核信念を支持する情報ばかりを拾って、強化しつづけて生きてきました。

 

これらの解釈をバランス良く捉え直すことができると、自己否定的な中核信念は弱まっていきます。

過去の解釈を捉え直すコツは、相手の立場に立って物事を考えてみることです。

 

過去を再構築する手順

  1. 「自分は力のない人間だ」「自分は人から好かれない人間だ」と人生で1番最初に感じた時を思い出す。
  2. 1の過去を別の解釈で捉え直せないか検討する(4.2の要領で)

 

【例】

古い信念:「私は人から好かれない」(50%)

新しい信念:「相性が合わない人もいるが、おおむね人に好かれる。」(50%)

 

1. 「自分は人から好かれない人間だ」と人生で1番最初に感じた時を思い出す。

  • 小学1年生の時、グループから仲間外れにされて、いじめを受けた。
  • 小学生低学年の時に、知らないおじさんに睨まれた。

 

2.  1の過去を別の解釈で捉え直せないか検討する(4.2の要領で)

  • グループの子達は家庭での環境が上手くいってなかった。その憂さ晴らしに必死だったのかもしれない。
  • 知らないおじさんは、仕事でストレスを貯めていたのかもしれない。知らない初めて見た子供を睨むなんて、あまりに非合理的だし、このおじさんが内側に問題を抱えていたと考える方が自然。

 

▼ワーク後の信念の強さの変化

古い信念:「私は人から好かれない」(40%→20%)

新しい信念:「相性が合わない人もいるが、おおむね人に好かれる。」(50→70%

 

5 人は変われる

さて、最後にもう一度こちらの図をご覧ください。

この記事では、中核信念を変える方法についてまとめましたが、より表層的に日々直接影響を受けているのは、自動思考や媒介信念でしたね。

これは自分を変える切り口も、3つあることを意味します。

 

中核信念だけでなく、日常的に感じている媒介信念や自動思考からも同時にアプローチしていくことが、人が変われる方法なのかなと思います。

この記事では、中核信念からアプローチする方法について学びましたが、繰り返し自動思考と媒介信念の修正も継続して行っていきましょう。

 

 

ベック博士は、人の信念は学び直すことが可能と述べていますが、僕も同じように人は変われると信じています。

何度も繰り返し繰り返し、修正していく必要はありますが、自分を生きるために、自分のできることをやっていきましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

孤独が大好きで、24時間内省している人間。 「自分」を大切に生きることについて模索し、「自分」を生きることに全うしている1人の挑戦者です。 日々の学びが、誰かのためになればと思ってブログ書いています!