孤独と寂寥にあえぐ人間に告ぐ[483/1000]
己だって昔は世間に出て交わって空しいことを学び、空しいことを教えた― 己が自分の考えた通りを筋道立てて述べると、反対の声がその何倍も大きく起こってきたものだ。だから己は不快な世俗を逃れて、寂寥と荒涼の中に赴いて、そして全…
己だって昔は世間に出て交わって空しいことを学び、空しいことを教えた― 己が自分の考えた通りを筋道立てて述べると、反対の声がその何倍も大きく起こってきたものだ。だから己は不快な世俗を逃れて、寂寥と荒涼の中に赴いて、そして全…
科学革命がもたらされて以降、人類は電脳空間に「家」をつくった。今日では誰もが馴染みの場を持ち、毎日そこから旅立ち、毎日そこへ帰ってゆく。 電力が断たれ、草枕月記を執筆できなくなった私に訪れたのは大きな喪失感…
【2024.2.25 追記更新】 ご機嫌よう。親愛なる数少ない読者のみなさま。三寒四温の日々がつづきますが、元気にしていますでしょうか。 公にできなかった隠遁生活中の手記も、2023年12月末から順次公開しはじめ、今日、…
歓喜、悲哀、憤怒、寂寥。感情は尊いものにちがいない。しかし、直情的に感情をさらけだすことが正しいとも思わない。歯を食いしばるようにぐっとこらえ胸奥に押し忍ぶことで、感情は見えない何か、大きなものに昇華され、美しい花を咲か…
命を捧げた人間に出会うから、命を捧げることをおぼえていく。聖人のようなギブ&ギブの精神は理想として語られるが、それを支えるのは神の力を無限に授かるほどの祈りの習慣ではないだろうか。母親が命懸けで産んだことを覚えている人間…
現世を嫌う人間も、永遠の一部を飾るのが、今日であるという事実からは目を背けることができない。凄惨な過去も華やかな過去も、はじめから歴史の一部を織りなしていたのではなく、不自由と不条理に抗争した人間たちの命の躍動によって産…
孤立と孤独の境目は、そこに天が存在しうるかである。同じように、旅行と旅との境目も、そこに天が存在しうるかだ。天のもとでは、命をさらけだすことが可能となる。旅にはいつも冒険が付きまとい、まるで命で風をきるような猛々しさがあ…
草枕月記では、孤独や孤立をテーマとして扱うことが多い。それは、私自身が孤立に苦しんだ人間であり、孤独に救いを見出す人間だからである。私はこれらの言葉の定義に、天や神といった信仰の存在をみつける。孤独な人間がなぜ孤独になる…
吉田松陰は、群を抜いた読書家であった。鎖国の中、アメリカの軍艦にまぎれ潜入を試みようとした罪で、野山獄に投獄されるも、その3年間のうちに読んだ書物は1500冊を超えていたという。これは、一か月あたり約40冊のペースにあた…
大分寒くなってきたが、ちゃんと暖はとっているか。ちゃんと湯船に浸かっているか。ちゃんと温かいものを食べてるか。 私のほうは最近、熱々の玄米がゆを食べることで、湯船に浸かるに匹敵するほどの熱量を獲得できること…